色素性母斑治療記録

娘の先天性色素性母斑(生まれつきの黒アザ)、治療記録です。レーザーを5回、分割切除手術を3回受けて、現在、赤い1本線です。娘が生まれた時から、たくさんのブログを読ませていただき、とても励まされました。このブログも、どなたかのご参考になれば幸いです。

病院探し(前編)

総合病院での出産でしたが

「こちらの病院の形成外科では
 乳幼児のアザ治療は行っていない。

 治療の開始時期や、通う病院については、
 退院までに我々も調べるが

 ご自身でも調べてみてほしい。」

 

と、小児科の先生からも

形成外科の先生からも言われて

 

産後の入院中、

娘が寝ている間は

ずっと何かしら検索していました。

 

当事者の方のブログ

当事者のご家族のブログ

論文

形成外科のホームページ

その他医療サイト

 

 など・・・

 

分かったことは

 

病院によって方針が

かなり異なるということ

 

昔の論文は、低年齢でのアザ治療について

ほとんど書かれていないのに対して

(一昔前、乳幼児の形成外科治療は

 哺乳や生活に支障のある場合を優先し

 アザ治療は

 本人が成長し、物心ついてからで良い

 といった傾向があったのではないかと

 そんな気がしました)

 


近年の論文では

 

0歳代の方が

皮膚が柔らかいことに加えて

母斑細胞が浅いところにある

ゆえに、0歳からの治療が効果的である

 

といった文章が、ちらほら見受けられました。

 


 


そして迎えた退院の日

 

形成外科の先生が

病室にいらしてくださいました。

 

「ここから一番近い病院で

 乳幼児アザ治療に力を入れているのは

 □□大学病院の形成外科です。

 紹介状を書きますか?」

 

とのこと。

 

里帰りでの出産だったので、

自宅からは高速片道3時間ほど。

 

ただ、自宅よりも、

里帰り先の方が都市部なため

大きな病院も多いです。

大きな病院の方が、最先端の治療を

提示してもらえるのではないかという

淡い期待を抱きました。

 

そこで、まずは□□大学病院への紹介状を

書いていただきました。

 

 

もともと、里帰りは1ヵ月の予定でしたが、

それを1ヵ月半にのばし

 

生後1ヵ月を過ぎてすぐ

□□大学病院を受診しました。

 

大学病院ということで、

紹介状はあれど予約はないので

4時間ほど待ったと思います。

 

生後1ヵ月になったばかり。

外出許可はおりたとはいえ

気が気ではなく

なるべく、人の少ない場所を選んで

ひたすらソファで待ちました。

 

やっと呼ばれて

私と娘とで、診察室へ入りました。

 

□□大学病院では

「レーザーは効かないだろう。

 1歳を過ぎたら、全身麻酔

 切除と移植の手術を同時に行うといい。

 移殖部分の色が少し目立つかもしれないが

 黒よりは目立たない。」

とのことでした。

 

 

0歳で何か治療が受けられるかもしれないという

淡い期待が打ち砕かれて

がっかりしながら帰宅。

 

翌日、

娘が突然、高熱を出しました。

すぐ小児科へ。

 

幸い、2日程で熱は下がり

ただの風邪だったようですが

大きな病院の待合室で

4時間も過ごしたことを、後悔しました…

 

 

セカンドオピニオンを求めて受診したい気持ちと

また、娘が何か病気をもらってしまうかもしれないかも、

という気持ちとで、かなり悩みました。

 

 

それでも

検索だけは続け

 

いくつか、近年の論文でよく目にする先生や病院

口コミサイトや掲示板によく登場する先生や病院

などをノートにメモする日々でした。

 

生後1ヵ月半

里帰りを終えて帰宅。

 

思いきって

地元で一番大きな

○○総合病院を受診しました。

 

○○総合病院では

「レーザーは効かないだろう。

 小学校入学前くらいに切除手術を受けるといい。

 ただ、くりぬく形になるので、顔に変化はあるかもしれない。

 どうしてもというなら、

 レーザーを受けてもいいと思うが、うちにはその設備はない。

 個人の美容外科が、最近、

 乳幼児の保険適用治療を行っているので、それはどうか。」

と言われました。

 

私と夫は

切除手術は最後の手段として

ひとまず、レーザー治療を受けてみたい

と、当時考えていました。

 

色々と調べる中で

0歳代で月に1回

レーザーを受けている

といった書き込みを見たためです。

 

皮膚が柔らかいうちに、

母斑細胞が少しでも皮膚の浅い位置にあるうちに

できるだけ、レーザーを受けさせてもらえないだろうか…

 

 

そして、

何軒かの美容外科

メール相談で娘の写真を送りました。

 

美容外科

「レーザーは効かないだろう」

 

美容外科

「レーザーは効くかもしれないが、

 保険適用だと3ヵ月に一度の治療になる。

 頻度を増やす場合は自費」

 

美容外科

「うちのレーザーでは効かないが

 最新式のQスイッチルビーレーザー

 を持つ病院を探してみるといい。

 効くかもしれない」

 

 

Qスイッチルビーレーザー…?

レーザーに種類があることは分かっていましたが

娘のアザに何が効くのかは

全く未知の世界で、

 

専門家から具体的なレーザーの種類を伺えて

光が差した思いがしました。

 

しかし、そのレーザー治療を

どこで受けたらいいのか、

 

近隣の病院はどこも断られ

(そのレーザー設備がない

 保険適用では3ヵ月に一回しか治療できない

 レーザーは効かないだろう 

 母斑は早期治療しない方針 等)

 

 

途方に暮れていた時、

だめもとで、自分のSNSページで

 

 

「娘のアザの治療を、0歳のうちに開始したいと考えている。

 でも、現在希望している治療が受けられる病院が見つからない。

 もし何がご存知だったら、教えてくれませんか。」

 

といったことを書いてみました。

(当時はmixiを使っていて、自分のmixi日記で

 友人だけに公開という設定で、書きました。)

 

 

すると、

友人から個別メッセージが!

「親戚の子にアザがあって

 遠くまで治療に行っていると話していた。

 かなり遠い病院だったと思うけれど、

 その人と、連絡をとってみようか?」

 

と。

 

本当に、本当に、嬉しかったです。

すぐに、連絡先を交換させてもらい

その方と、メールのやりとりをしました。

 

その方のお子さんは、

既に治療をほぼ終えられていて

とても良い先生だった、ということと

0歳の時に、月1回のレーザー治療を受けられた

ということを伺いました。

 

 

なんと、

その方が通っていた☆☆病院のY先生は


論文や口コミサイトでよく目にして

メモをとっていた、まさにその先生でした。

 

それまでの形成外科学会の

アザの治療は本人が成長し、物心ついてからでいい

という考え方とは異なり

 

0歳代の皮膚が柔らかいうちに

母斑細胞の存在する深さが少しでも浅いうちに

早期治療を、と主張なさる

論文を書かれていました。

 

 

どんなに遠くても、一度

その病院へ行ってみたい!と思いました。

 

 

そして、

 

生後3ヵ月、

車で片道6時間かけて、

☆☆病院へ、行きました。

 

 

※後編に続きます

 

 

 

 

(補足
 当ブログは、
 過去のことを振り返って書いています。
 現在、娘は6歳。

 レーザーを5回、

 分割切除手術を3回受けて
 治療は一区切りとなりました

生まれた時のこと

7年間、不妊に悩んだ末
授かった子でした。

流産も3回経験し

無事に産まれてきてくれるのか
不安で不安で

とにかく、出産の日を心待ちにしていました。


学生の頃に読んだ
乙武洋匡さんの『五体不満足』という本の中で



乙武さんを初めて見たお母様の第一声が

「かわいい」

だった、というエピソードが
紹介されていました。

それが印象に残っていて


私も、生まれてきた子に
会えたら

もし、その子の身体に何かあったとしても
絶対に「会いたかったよ。かわいいね。」と言おう!
そう決めていました。





ところが
やっと迎えたお産の日

「女の子ですよ~」と
助産師さんに、娘の顔を見せていただいた瞬間

私は

「・・・・」

何も、言えませんでした。




すぐハッとして
「会いたかったよ!
 産まれてきてくれてありがとう」
と、声をかけました。


でも、
娘に会った瞬間、何も言えなかったことを
今でも後悔しています。


初対面の
その瞬間に
「かわいい!」と言いたかった。

それなのに
私の頭の中は

「どうして?
 この子に申し訳ない」

といったことが
瞬間的に
頭を駆け巡りました。




(この時のことを
後悔している分、
それ以後は、

娘とアザについて話すとき、
周囲の人からアザについて聞かれたときも

決して後ろめたい気持ちを持たない
と、決めました。

それは
娘が年長になった今も続けています。


娘が寝ている時や
治療前後に泣いていた時、
全身麻酔から
なかなか覚めなかった時など
胸が苦しくなりましたが

なるべく
母として「申し訳ない」思いは
封印して

娘の痛みや辛さに寄り添うことはしても
アザを後ろ向きに表現することだけは
しないようにしていました。


それは、上にも書きましたが
生後すぐに「申し訳ない」と
思ってしまった
自分への戒めとして、
勝手にマイルールを決めました、、、


娘は2歳で喘息と診断され
喘息での入院も何度もしていますが
その際にも、このマイルールを適用して
娘と接しています)








生まれた直後
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総合病院だったので
小児科の先生も
形成外科の先生も
詳しく診てくださいました。


形成外科の先生が、産後3日目
私の病室にいらっしゃいました。

「すぐさま命に関わるものではない。

しかし、色素性母斑は
皮膚癌になる可能性があるので
いつかは切除しなければならないだろう。

おそらく、1歳すぎからの治療になるかと思うが
こちらの病院の形成外科では
乳幼児のアザ治療は行っていない。

治療の開始時期や、通う病院については、
退院までに我々も調べるが

ご自身でも調べてみてほしい。」

と、言われました。


生後3日
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特に授乳中、
よく見える位置のアザだったので
娘が授乳しながらウトウトと眠ると
アザのことが気になってしまって


娘の寝顔を見る度に



色が濃いなぁ
どうしたらいいんだろう
レーザーで消えるのだろうか?

形成外科の先生は
切除 とおっしゃったけれど
くりぬく手術なのだろうか?
痕が残るのでは・・・?


ぐるぐる
ぐるぐる
考えていました。





(補足
 当ブログは、
 過去のことを振り返って書いています。
 現在、娘は6歳。
 治療は一区切りとなりました。
  ※手術痕は色素沈着しやすいとのことで
   日焼け対策だけは念入りに行っています)
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はじめまして

生まれた翌日
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5歳
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眉間に、色素性母斑(黒アザ)を
もって生まれてきた娘。
 

とても悩んだ末に

生後3ヶ月から
形成外科にて治療を開始。


0歳3ヶ月~7ヶ月 
 月一回のQスイッチルビーレーザー
 (部分麻酔)
  × 五回

0歳9ヶ月
1歳9ヶ月
2歳9ヶ月
 年一回の分割切除手術
 (全身麻酔)
  × 三回


以上で
治療は一区切りとなりました。

その後、
半年おきの経過観察を続け

5歳9ヶ月で
形成外科を卒業しました。



6歳現在、
赤い線が残るのみと
なっています。


もし、娘が大きくなって
この線が気になると言った時には、

ティッシュエキスパンダー
 &
手術

を、主治医からは
すすめられましたが


今のところ
娘本人は
アザの痕を気にせずに
成長中です。










アザ治療のスタート年齢や
治療方法には
様々な選択肢がありますが

ほんの一例として

もし、どなたかのご参考になればと

ブログに治療記録を綴ることにしました。


よろしくお願い致します。